演劇集団キャラメルボックス/容疑者Xの献身

2009年5月12日(火)
演劇集団キャラメルボックス2009スプリングツアー
容疑者Xの献身
サンシャイン劇場


 追加公演のチケットが取れたため、急遽観に行ってきました。5列目!近い!!
 キャラメルボックスは高校生の頃から、何回も観に行っているのですが、笑って泣いて、感情をフル回転させる、ユーモアもたっぷりで、声出して何度も笑う場面も多い、というイメージ強いです。おそらくオリジナル脚本ではそうだだと思うのですが、今回は言わずもがな、東野圭吾さんの原作があるため、ちょっといつもと趣きが違ったと感じました。
 靖子に救ってもらった石神が、人生をかけて身をささげ、今度は靖子とその美里を救う。というストーリー。ほんとにタイトル通り、容疑者Xの献身


 いやー、泣きましたね。Milkに続き。これは泣くと思っていましたが。。原作の朗読が要所要所に入るため、展開が丁寧でどんどん引き込まれました。西川さんの石神は、感情を表に出しすぎず、でも、湯川が持ってきた数学の問題を解くときのテンションの上がりっぷりなど、こういう人居るよなぁ、って思いました。
 岡田さんの湯川も素敵でした^^孤高の物理学者が、自分が認める天才が罪を犯しているとわかり、悩み苦悩する姿を熱く演じてらっしゃいました。石神出頭後の刑事とのやりとり、靖子へ真実を伝える場面などはもう、、胸が締め付けられましたよ。

 
 配られたパンフレットによると、脚本・演出の成井豊さんももともとは教師であったとのこと。だからこそ、この石神の気持ちがわかる、と。教師と作家、教師と研究者。
「引き裂かれた石神の心」成井豊

 小説『容疑者Xの献身』を初めて読んだ時、あっという間に感情移入できたのは、主人公の石神哲哉が、まさにその葛藤の真っ只中にいたからだ。数学者として新しい発見がしたいという夢と、高校教師として数学に何ら興味を持たない生徒たちに点を取らせるためだけの追試をしなければいけないとい現実。

 芸術家や研究者を目指した人が道を変えて、教師になる、というのはよくあること。ただ、その選択肢を選んだ人は、そこで生まれる葛藤に苦しんでいるという成井さんの言葉は実に興味深い(ガリレオだけに、眼鏡をおさえながら)。
 もし、自分が学生だったときに、成井さんや石神みたいな先生がいたら、、って考えてみたとき、私はけっこう慕っていたと思うな。教師の役割として、もちろん生徒のことを考えることは当たり前なんだけど、その教科の魅力を伝えるってのも一つの仕事のはず。成井さんの文学への、石神の数学への、愛?ってやつ、を間近で感じたら、文学って面白そう、とか、私もああいう風に何かを好きになりたい、とか思うんじゃないかな。実際、高校生のとき、そういう先生が何人かいて、すごく好きだった。


 って、だいぶ話が脱線しました。


 キャラメルボックス、次回は100公演目らしいです^^サマーツアー『風を継ぐ者』。新撰組ものですね。これまた観たい!
 
 超余談:
 映画も観たのですが、福山湯川より岡田湯川が好きです。なぜなら、あの、眼鏡をかけるとちょっとキツめに見える感じの目が好きだからです。眼鏡白衣はぁはぁ(ry


容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)